第32記事

透析患者の夏がしんどい理由〜汗と水分制限と修行みたいな散歩の話〜

※この記事は透析患者の当事者が書いています。医療従事者ではありません。個人の体験・施設の指導をもとにした内容です。医療上の判断は必ず担当医・看護師にご確認ください。

はじめに

透析患者にとって、夏は特別にしんどい季節です。

水分制限がある中で、暑くて汗をかく。
「飲みたい」という気持ちと「飲めない」という現実がぶつかる季節です。

この記事では、私が実際に経験した夏のリアルな話を書いていきます。

真夏に眼科へ行った日の話

透析の合併症で目が見えづらくなり、眼科に行った日のことです。

真夏でした。

帰り道が上り坂で、歩いて約2時間かかりました。
普通の人なら30分〜1時間で着く道のりです。体力が落ちているのか、透析で体調が万全でなかったのか、足が全然進まなかった。そのうえ真夏の日差しで、汗が止まらなかった。

その日の透析で体重を測ったら、いつもより結構減っていました。
看護師さんに「どうされましたか?」と聞かれるくらい、普段とは違う数値だったようです。

歩いて汗をかいた分、体の水分が外に出たということです。
「しんどかったけど、これはこれで……」と複雑な気持ちになった記憶があります。

透析患者にとって「汗」は悪くない?

健康な人にとって汗は「暑い」という不快なもの。
でも透析患者にとって、汗は体の水分が外に出るという意味があります。

腎臓が働いていないため、水分は尿として出ていきません。
汗として出るのは、体が水分を調整できる数少ない方法のひとつです。

だからといって無理に汗をかけばいいわけではありませんが、汗をかいた日は透析の除水量が少し楽になることがあります。

修行みたいな散歩をしていた話

そのことに気づいてから、しばらく昼間に散歩するようにしていました。
できるだけ歩いて、汗をかいて、水分を少し出しておこうという作戦です。

ある日、看護師さんにそのことを話したら、

「なんで修行みたいなことしてるんですか(笑)」

と言われました。笑

気持ちはわかるけど、無理して汗をかきすぎるのも体に良くないとのこと。
特に夏の炎天下での激しい運動は熱中症のリスクがあるため、程々にするようにアドバイスをもらいました。

夏の熱中症には要注意

透析患者は熱中症のリスクが高い、と言われています。

水分をこまめに補給できないこと、体温調節が難しくなっていることが理由のひとつです。

夏場の外出はできるだけ涼しい時間帯に。
無理な外出や炎天下での長時間の歩行は避けるのが賢明です。

私の眼科帰りの2時間歩きは、今思えばかなりギリギリでした。

水分補給のタイミングをうまく使う

水分制限がある中でも、飲まなければならないタイミングがあります。

私の場合、透析後に薬を飲みます。
その薬を飲む水を、のどが渇いたときの水分補給と兼ねるようにしています。

「どうせ飲む水なら、一番飲みたいタイミングで使う」という小さな工夫です。

水分制限の中で「飲める瞬間」を大切にする。
地味ですが、これが日々の積み重ねになっています。

まとめ

・夏は汗をかくため水分管理がより難しくなる
・汗で水分が出る分、透析の除水量が変わることがある
・無理に汗をかこうとするのは熱中症のリスクがあるため注意
・薬を飲む水分と喉が渇いたタイミングをうまく合わせるのが小さな工夫

夏の水分制限は、透析患者にとってただでさえしんどい生活をさらにしんどくします。
でも工夫しながら乗り越えている人が、たくさんいます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

※この記事は透析患者の当事者が書いています。医療従事者ではありません。個人の体験・施設の指導をもとにした内容です。医療上の判断は必ず担当医・看護師にご確認ください。

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