第63記事

医療費は制度で守られていても、生活費は上がる。透析患者と物価上昇の話を正直にします

こんにちは、透析生活!のアグーと申します。

今回は物価上昇についてお話しします。

最近、生活費が上がっている実感があります。生活費の中には医療費も含まれていますが、透析患者の場合、医療費は制度で守られている部分が大きいです。一方、それ以外の生活費(食費・光熱費・交通費など)は確実に上がっている。今回はそのあたりを、調べた数字とあわせて正直に書きます。

医療費は制度で守られている

まず医療費の話から。

透析患者には高額療養費制度・自立支援医療・障害者医療費助成といった制度があります。私自身も、毎月の医療費は実質1万円程度に抑えられています。第42記事で詳しく書きましたが、本来なら月40万円かかる治療費が、制度を使うことで月1万円になっています。

物価上昇の影響で病院の経営や医療材料費は上がっているはずですが、患者の自己負担額に直接降りてくるわけではありません。制度のおかげで、医療費は安定している。これは正直、ありがたい話です。

それ以外の生活費は確実に上がっている

医療費は守られていても、それ以外の生活費は別です。

2026年の家計負担は、4人家族で年間+8.9万円増えると予測されています(第一生命経済研究所)。物価対策で一部負担軽減はあるものの、それでも年間6万円程度の負担増が見込まれています。

特に上がっているのが、電気・ガス・灯油などのエネルギー代です。食料品の値上げペースは少し鈍化したものの、コメや調味料は数年前と比べると明らかに高くなっています。

医療費は守られていても、毎日の食費・光熱費・日用品は確実に重くなっている。これが今のリアルです。

透析患者ならではの追加コスト

ここからが本題です。透析患者ならではの「物価上昇の影響」があります。

夏の電気代

透析患者は脱水になりやすく、夏場の冷房は命を守るために必須です。第32記事でも書きましたが、暑さで体調を崩すと一気に危険な状態になります。エアコンを我慢する選択肢がない以上、電気代の値上げは直撃します。

通院の交通費

週3回、透析施設に通います。月に12回前後。タクシーやバスを使う方は、ガソリン代の値上げが交通費に跳ね返ります。施設の送迎を使っていても、施設側のコスト増は将来的に何らかの形で関わってきます。

食費

食事制限のある透析患者は、食材選びや調理に手間がかかります。例えば私はカリウムを抑えるために、野菜を「茹でこぼし」で調理しています。野菜を茹でて茹で汁を捨てることで、カリウムを減らせる方法です。手間も光熱費も少しずつ増えます。

たんぱく質調整食品や減塩食品など、もともと割高な特殊食品を使う場面もあります。そこに全体の値上げが重なっています。

日用品

私は水分のとりすぎを防ぐため、あえて小さいサイズのペットボトルを選んで買うなど工夫しています。500mlではなく350mlを買うとか。そういう買い方をしていると、ペットボトル飲料の値上げは地味に効きます。

ナフサ不足は医療材料費にも影響している

第57記事・第61記事で書きましたが、ダイアライザーや血液回路は石油由来のプラスチックでできています。第60記事でもダイアライザーの素材について触れました。ナフサ不足は医療材料の原料費にも影響します。

ただ、それが患者の自己負担に直接降りてくることは(現時点では)ありません。制度がそのコストを吸収してくれているからです。

「医療費は変わらない」というのは、患者から見た景色です。裏側では、施設やメーカーが値上げを吸収している、ということを忘れてはいけないと思っています。

患者にできることはあるのか

「節約する」ではなく、「制度を使い切る」が一番だと思います。

具体的には、高額療養費・自立支援医療・障害者医療費助成・医療費控除など、使える制度を全部使うこと。第34記事・第41記事で書いた制度の話を、もう一度確認することをおすすめします。

生活費の節約は健常者と同じく工夫の世界ですが、医療費の制度を取りこぼさないことは、透析患者だからこそできる「対策」です。

まとめ

物価上昇は誰にとっても重い話ですが、透析患者は「医療費は守られている」分、それ以外の生活費の影響をしっかり把握しておくことが大事だと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。

この記事は透析患者本人の体験と調べた内容です。医療アドバイス・金融アドバイスではありません。制度の詳細や適用条件は自治体・保険者・税務署・関係機関に必ずご確認ください。

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