透析生活!怖くて調べた。ナフサ不足と透析患者34万人
こんにちは、透析生活!のアグーと申します。
今回はナフサについてお話しします。
「ナフサ不足で透析回路が足りなくなるかもしれない」というニュースを見ました。透析患者の私にとって、他人事ではない話です。気になったのでちょっと調べてみました。
ナフサって何?
ナフサとは、石油を精製するときに取り出される液体の原料です。
ガソリンや灯油と同じく石油からできていますが、ナフサの主な用途は「プラスチックをつくるための原料」です。
私たちの身の回りにあるプラスチック製品のほとんどは、ナフサから作られています。ペットボトル、ビニール袋、食品トレー……全部ナフサが出発点です。
なぜ今、ナフサが不足しているの?
2026年、中東情勢の悪化によってエネルギー供給が不安定になりました。日本がナフサを中東から輸入している割合は約40%。その供給が滞ることで、国内のプラスチック原料が不足し始めています。
ナフサを使って医療機器を作る工場は、タイやベトナムなど東南アジアに多くあります。その地域でも同じようにナフサ不足が起きており、生産が滞り始めています。
透析の道具はどこで作られているの?
透析で使う道具には、プラスチックが大量に使われています。
- 透析回路(チューブ)
- ダイアライザー(血液をろ過するフィルター)
- 点滴バッグ・シリンジ・カテーテル
透析回路(チューブ)の多くは、タイやベトナムの工場で作られています。透析回路の国内シェア約5割を持つニプロは、タイ(アユタヤ)とベトナム(ホーチミン)に製造工場を持っています。日機装もベトナムとタイで生産しています。
ダイアライザー(フィルター)については、東レが国内の愛知県岡崎工場でも生産しており、旭化成も国内中心の製造体制を持っています。
透析患者への影響
2026年3月、ロイターの報道で大きく注目されました。ニプロが「タイ・ベトナム工場でのナフサ不足により、早ければ8月頃から国内への出荷が困難になる可能性がある」と明らかにしたのです。
国内の透析患者は約34万人。週3回・1回4時間の透析は生命維持に欠かせません。回路がなければ透析ができません。
政府はどう動いたの?
報道を受けて動きは早く、3月30〜31日には経産省・厚労省が対策本部を設置しました。
4月26日には厚生労働大臣が「9月末までの供給は確保できる見通し」と発表しています。政府によれば、輸入済みナフサと国内精製分で2ヶ月分、さらに川中(製造途中)の在庫2ヶ月分を合わせて、少なくとも国内需要4ヶ月分を確保しているとのことです。
ただし、ニトリル手袋など一部の医療用品はすでに出荷制限が始まっています。「9月末まで大丈夫」という政府発表と、「現場はすでに動き出している」という実態の両方があるのが正直なところです。
代替策はないの?
調べていて一番気になったのはここでした。「タイ・ベトナムで作れないなら、国内で作ればいいのでは?」と思ったのです。
ところが、そう簡単にはいきませんでした。
日機装は2021年に「宮崎に国内工場を建てる」と発表していましたが、2025年9月に資材高騰を理由に計画を中止しています。結果として、タイ・ベトナムの工場に頼り続ける体制のままです。
では別のメーカーから調達すればいいかというと、これも難しい。医療用品質を満たすサプライヤーは限られており、部品を変更するだけでも安全性試験と薬機法の申請が必要で、すぐには対応できません。
政府は中東以外(米国・オーストラリア・インドなど)からのナフサ輸入を増やすことで対応しようとしています。ただしこれは「ナフサ全体を確保する」話であって、透析回路の生産がすぐ元に戻るわけではありません。
現実的には「他の国からナフサを仕入れて、タイ・ベトナムの工場で作り続ける」以外の手がない状況です。
透析患者として正直に思うこと
調べながら、率直に怖いと思いました。
透析は生命維持のための治療です。回路がなければ透析ができない。それは即、命に関わります。
政府は「供給は確保できる」と言っている。それを信じたい気持ちはあります。でも「ニトリル手袋はすでに出荷制限中」という情報を見ると、楽観はできないなとも思います。
私にできることは今のところありません。でも、知っておくことは大事だと思っています。何かあったときに慌てないために、こういう問題が起きていることを頭に入れておく。それくらいしかできないけれど、無関心でいるよりはいいと思っています。
まとめ
- ナフサは石油からつくるプラスチックの原料
- 中東情勢悪化でナフサが不足、日本は中東から約40%を輸入
- 透析回路・ダイアライザーはナフサ由来の素材でできている
- 透析回路シェア5割のニプロが「8月頃から出荷困難の可能性」と表明
- 政府は「9月末までの供給確保」を発表。ただし一部品目はすでに出荷制限中
- 国内工場への移管・代替品調達はすぐには難しく、他の国からナフサを確保して現状工場で作り続けるしかない状況
- 国内の透析患者約34万人に影響が及ぶ可能性がある
状況は今後も変わっていくと思います。引き続きニュースに注目しておきたいと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう!
このニュース、知っていましたか?コメントで教えてください。
📝 noteでも透析生活の情報を発信中
noteをフォローする →