第164記事

透析患者の医療費は無料でおかしい?無料に見えるだけ⁉︎

公開:2026年10月6日

透析患者の医療費は無料でおかしい?無料に見えるだけ⁉︎。スマートフォンの画面の「医療費無料はおかしい」と、国民健康保険料の納付書を持つ男性

こんにちは、透析生活!のアグーと申します。

今回は、ちょっと言いにくい話です。「透析患者の医療費が無料なのは、おかしい」

この記事の内容

  1. SNSで言われたことがある
  2. 透析は「タダ」じゃない
  3. 昔は、お金がないと透析を受けられなかった
  4. 「自業自得」と言われること

SNSで言われたことがある

面と向かって言われたことはありませんが、SNSで言われたことはあります。

その時、私も働いていた頃は社会保険料を払っていたし、今も国民健康保険はちゃんと納めているのに…と思いました。

透析は「タダ」じゃない

透析の医療費は、国全体で年1.57兆円かかっています。厚生労働省「糖尿病性腎症重症化予防の推進」

そのほとんどを健康保険が払っていて、健康保険はみんなが払う保険料と税金でまわっています。透析患者も、その保険料を払っている一人です。厚生労働省「令和5(2023)年度 国民医療費の概況」

窓口で払うのは月1万円まで、所得が多い人は月2万円までです。全国健康保険協会「高額療養費」

「特定疾病療養受療証」を出すと、この上限がつきます。住んでいる自治体の助成で、窓口の支払いがもっと少なくなる人もいます。だから「無料」に見えるのかもしれません。東京都保健医療局「医療費助成(人工透析)のご案内」

昔は、お金がないと透析を受けられなかった

透析に健康保険が使えるようになったのは1967年12月。それまでは、お金がなければ透析を受けられませんでした。

保険が使えるようになっても、すぐに楽になったわけではありません。腎臓の障害が身体障害者の対象になり公費の助成がついたのが1972年、窓口の支払いが月1万円までになったのは1984年です。

1971年には透析患者たちが会をつくり、国に何度もお願いに行っています。今の月1万円は、そうやって少しずつできた仕組みです。全国腎臓病協議会「全腎協 年表(1971〜2015年)」

「自業自得」と言われること

2016年、元アナウンサーがブログで「自業自得の人工透析患者は、全員実費負担にさせよ」と書き、大騒ぎになりました。J-CASTニュース(2016年9月25日)

透析になった原因で一番多いのは糖尿病で、今透析をしている人の約4割(39.2%)です。日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況(2024年12月31日現在)」

私も、糖尿病から透析になりました。

自業自得の要素は、あると思います。糖尿病は痛みもなく、ついつい後回しにしてしまう場合があるからです。最近は企業も社員の体調管理に注意していて、要検査なら病院に行かせるようにしています。

しかし、遺伝で糖耐性が低い人もいるので、あの言い方は適切ではないと思います。国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター「糖尿病とは」

それに、残りの6割は糖尿病ではありません。腎炎など、ほかの病気で透析になった人たちです。日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況(2024年12月31日現在)」

この話は、制度を知らなかったころのことや、家族に「そんなお金ないよ」と言われた話と一緒に、『透析生活!お金と暮らしの話』に入れています。読み放題(Kindle Unlimited)なら0円で読めます。

医療費の上限や助成は、加入している健康保険や住んでいる自治体によって違うところもあるので、詳しくは加入先の健康保険や区役所・市役所の窓口に直接ご確認ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう!

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書いた人:アグー

40代・血液透析の患者です。糖尿病性腎症から透析生活に入り、いまは週3回・1回4時間の透析を続けています。お金と制度のこと、体のこと、日々の本音を、当事者の目線で書いています。医療従事者ではありません。

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