第125記事

透析患者はウイスキーを飲んでいい?ハイボールにした瞬間、話が変わります

最終更新:2026年8月30日

こんにちは、透析生活!のアグーと申します。

今回はウイスキーの話です。

先に書いておくと、私はお酒が飲めません。透析になったからやめたのではなく、もともと飲めないほうです。だからこれは、飲む人に向けて調べた話になります。

この記事の内容

  1. カリウムもリンも、ほとんど入っていない
  2. 水分は、飲んだ量がそのまま
  3. 割り材で変わるのは、水だけじゃない
  4. 飲んだ分は、そのまま体重になります
  5. 同じ酔い方で比べたら、10倍違った
  6. 「1日◯杯まで」は、私たちの数字じゃなかった
  7. 国が勧める飲み方が、透析だと逆に働く
  8. 数えるのは「杯」ではなく「ml」

カリウムもリンも、ほとんど入っていない

日本食品標準成分表(八訂 増補2023年)で、ウイスキー100gあたりの数字を見ました。

第95記事に書いたとおり、ビールは100mlあたりカリウムが約34mg、赤ワインは約110mgです。桁が違います。

カリウムとリンだけを見るなら、ウイスキーは透析患者にとって、かなり優しいお酒でした。

水分は、飲んだ量がそのまま

カリウムとリンは気にしなくていい。でも水分は別です。

ストレートのシングルなら30ml。飲んだのは、それだけです。

ハイボールは、それを炭酸水で割ったもの。コップ1杯を150mlとすれば、120mlは炭酸水です。

炭酸水は、水です。

同じ「1杯」でも、5倍違います

水割りも同じ。ロックも、氷は溶けます。溶けた分は水です。

「ウイスキーだから大丈夫」と思って選んだ飲み方が、いちばん水分の多い飲み方だった、ということが起こります。

割り材で変わるのは、水だけじゃない

ここまで、割ったぶんは水分になる、という話をしてきました。

ただ、割り材で変わるのは水だけではありませんでした。割り材そのものに、カリウムやリンが入っているものがあります。

同じ成分表で、よく使う割り材を並べてみました。100gあたりの数字です。

割り材カリウムリン
サイダー微量0mg
麦茶(浸出液)6mg1mg
玄米茶(浸出液)7mg1mg
コーラ微量11mg
ウーロン茶(浸出液)13mg1mg
ほうじ茶(浸出液)24mg1mg
せん茶(浸出液)27mg2mg
レモン果汁100mg9mg

コーラ割りにすると、リンが入ります。ウイスキー自体は微量なのに、割ったほうから来る。

お茶割りは、カリウムのほうです。同じお茶でも、麦茶とせん茶で4倍以上違いました。

レモンを搾る人は、そこも数のうちです。果汁100gあたり100mgは、ビールの3倍あります。搾る量は少ないので、たかが知れているとも言えますが。

もちろん、数字そのものは小さいです。ビール500mlのカリウムが約170mgですから、桁が違います。

ただ、ゼロではない。ウイスキーを選んだ理由が「カリウムとリンが少ないから」なら、割り材でそれを足しているのは、ちょっともったいない話です。

飲んだ分は、そのまま体重になります

全腎協のページに、こう書いてあります。「腎機能が低下すると尿量が減り、体内の水分量はそのまま体重の増減につながります」

同じページに「体重管理=水分管理」とあります。「尿が出る人も出ない人も、体重増加をみながら飲み水の量を調整しましょう」とも書かれていました。

ハイボール1杯150mlは、そのまま150gの体重になります。

同じ酔い方で比べたら、10倍違った

じゃあ、ビールと比べてどれくらい違うのか。成分表の数字で計算してみました。そろえたのは「純アルコール20g」、ビールの中びん1本ぶんです。

10倍以上ありました。ウイスキーは中身の3分の1がアルコールで、水は66.6%。ビールは92.8%が水です。

ただしこれ、ストレートで飲んだときの話です。炭酸水で割った時点で、この差は自分で埋めていることになります。

「1日◯杯まで」は、私たちの数字じゃなかった

お酒の量の話になると、「1日これくらいまで」という数字をよく見かけます。国が出しているものがあると知って、厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を開いてみました。

生活習慣病のリスクが上がる量は、男性で1日40g、女性で20g。このgはお酒の量ではなく、中に入っているアルコールそのものの重さです。ビール500ml(5%)でちょうど20g。

ここまでは、あちこちで紹介されている話です。私が止まったのは、その手前のページでした。

「本ガイドラインは、基礎疾患等がない20歳以上の成人を中心に」

基礎疾患等がない人。透析をしている人は、ここに入っていません。

よく見かけるあの数字を自分に当てはめても、答えにならなかったわけです。同じ文書は、かかりつけ医がいるなら飲酒について相談を、と続きます。結局そこに戻るのか、と思いました。

国が勧める飲み方が、透析だと逆に働く

同じガイドラインには、体に配慮した飲み方の例も並んでいます。その中の2つで、あれ?となりました。

薄めれば酔いにくい。合間に水をはさめば体はラク。飲める人には、たぶん正しいんだと思います。

でも透析だと、その水は全部、次の透析までの体重になります。

ハイボールも、チェイサーも、世の中では「やさしい飲み方」の側にいます。そこだけが、私たちのところでひっくり返る。飲めない私が言うのもなんですが、これはちょっと理不尽だなと思いました。

数えるのは「杯」ではなく「ml」

調べて分かったのは、こういうことでした。

そして、これがいちばん大事です。飲んでいいかどうかは人によって違います。心臓や肝臓の状態、検査値によっては止められます。必ず主治医に確認してください。

※この記事は透析患者の私が調べてまとめたものです。医療の助言ではありません。飲酒の可否や量は、体の状態によって一人ひとり違います。ここに書いた水分量は、成分表の数値をもとにした計算です。実際のグラスの量や割合によって変わります。飲む前に必ず主治医・透析施設のスタッフにご確認ください。

みなさんは、どんな飲み方をしていますか。よかったらコメントで教えてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。

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書いた人:アグー

40代・血液透析の患者です。糖尿病性腎症から透析生活に入り、いまは週3回・1回4時間の透析を続けています。お金と制度のこと、体のこと、日々の本音を、当事者の目線で書いています。医療従事者ではありません。

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