透析患者はウイスキーを飲んでいい?ハイボールにした瞬間、話が変わります
最終更新:2026年8月30日
こんにちは、透析生活!のアグーと申します。
今回はウイスキーの話です。
先に書いておくと、私はお酒が飲めません。透析になったからやめたのではなく、もともと飲めないほうです。だからこれは、飲む人に向けて調べた話になります。
この記事の内容
カリウムもリンも、ほとんど入っていない
日本食品標準成分表(八訂 増補2023年)で、ウイスキー100gあたりの数字を見ました。
- カリウム 1mg
- リン 微量
- たんぱく質 0g
第95記事に書いたとおり、ビールは100mlあたりカリウムが約34mg、赤ワインは約110mgです。桁が違います。
カリウムとリンだけを見るなら、ウイスキーは透析患者にとって、かなり優しいお酒でした。
水分は、飲んだ量がそのまま
カリウムとリンは気にしなくていい。でも水分は別です。
ストレートのシングルなら30ml。飲んだのは、それだけです。
ハイボールは、それを炭酸水で割ったもの。コップ1杯を150mlとすれば、120mlは炭酸水です。
炭酸水は、水です。
- ストレート(シングル)……30ml
- ハイボール(コップ1杯)……150ml
同じ「1杯」でも、5倍違います。
水割りも同じ。ロックも、氷は溶けます。溶けた分は水です。
「ウイスキーだから大丈夫」と思って選んだ飲み方が、いちばん水分の多い飲み方だった、ということが起こります。
割り材で変わるのは、水だけじゃない
ここまで、割ったぶんは水分になる、という話をしてきました。
ただ、割り材で変わるのは水だけではありませんでした。割り材そのものに、カリウムやリンが入っているものがあります。
同じ成分表で、よく使う割り材を並べてみました。100gあたりの数字です。
| 割り材 | カリウム | リン |
|---|---|---|
| サイダー | 微量 | 0mg |
| 麦茶(浸出液) | 6mg | 1mg |
| 玄米茶(浸出液) | 7mg | 1mg |
| コーラ | 微量 | 11mg |
| ウーロン茶(浸出液) | 13mg | 1mg |
| ほうじ茶(浸出液) | 24mg | 1mg |
| せん茶(浸出液) | 27mg | 2mg |
| レモン果汁 | 100mg | 9mg |
コーラ割りにすると、リンが入ります。ウイスキー自体は微量なのに、割ったほうから来る。
お茶割りは、カリウムのほうです。同じお茶でも、麦茶とせん茶で4倍以上違いました。
レモンを搾る人は、そこも数のうちです。果汁100gあたり100mgは、ビールの3倍あります。搾る量は少ないので、たかが知れているとも言えますが。
もちろん、数字そのものは小さいです。ビール500mlのカリウムが約170mgですから、桁が違います。
ただ、ゼロではない。ウイスキーを選んだ理由が「カリウムとリンが少ないから」なら、割り材でそれを足しているのは、ちょっともったいない話です。
飲んだ分は、そのまま体重になります
全腎協のページに、こう書いてあります。「腎機能が低下すると尿量が減り、体内の水分量はそのまま体重の増減につながります」。
同じページに「体重管理=水分管理」とあります。「尿が出る人も出ない人も、体重増加をみながら飲み水の量を調整しましょう」とも書かれていました。
ハイボール1杯150mlは、そのまま150gの体重になります。
同じ酔い方で比べたら、10倍違った
じゃあ、ビールと比べてどれくらい違うのか。成分表の数字で計算してみました。そろえたのは「純アルコール20g」、ビールの中びん1本ぶんです。
- ビール500ml……水分 約460ml
- ウイスキーのストレート 約60ml……水分 約40ml
10倍以上ありました。ウイスキーは中身の3分の1がアルコールで、水は66.6%。ビールは92.8%が水です。
ただしこれ、ストレートで飲んだときの話です。炭酸水で割った時点で、この差は自分で埋めていることになります。
「1日◯杯まで」は、私たちの数字じゃなかった
お酒の量の話になると、「1日これくらいまで」という数字をよく見かけます。国が出しているものがあると知って、厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を開いてみました。
生活習慣病のリスクが上がる量は、男性で1日40g、女性で20g。このgはお酒の量ではなく、中に入っているアルコールそのものの重さです。ビール500ml(5%)でちょうど20g。
ここまでは、あちこちで紹介されている話です。私が止まったのは、その手前のページでした。
「本ガイドラインは、基礎疾患等がない20歳以上の成人を中心に」
基礎疾患等がない人。透析をしている人は、ここに入っていません。
よく見かけるあの数字を自分に当てはめても、答えにならなかったわけです。同じ文書は、かかりつけ医がいるなら飲酒について相談を、と続きます。結局そこに戻るのか、と思いました。
国が勧める飲み方が、透析だと逆に働く
同じガイドラインには、体に配慮した飲み方の例も並んでいます。その中の2つで、あれ?となりました。
- 水などを混ぜてアルコール度数を低くして飲む
- 飲酒の合間に水(または炭酸水)を飲む
薄めれば酔いにくい。合間に水をはさめば体はラク。飲める人には、たぶん正しいんだと思います。
でも透析だと、その水は全部、次の透析までの体重になります。
ハイボールも、チェイサーも、世の中では「やさしい飲み方」の側にいます。そこだけが、私たちのところでひっくり返る。飲めない私が言うのもなんですが、これはちょっと理不尽だなと思いました。
数えるのは「杯」ではなく「ml」
調べて分かったのは、こういうことでした。
- ウイスキーそのものは、カリウムもリンもほとんど気にしなくていい
- 気にするのは、割ったもののほう
- だから「何杯飲んだか」ではなく「何ml飲んだか」で数える
- 飲んだ分は、その日の水分に足しておく
- つまみの塩分にも気をつける(第95記事)
- 世の中の「やさしい飲み方」は、そのままでは当てはまらない
そして、これがいちばん大事です。飲んでいいかどうかは人によって違います。心臓や肝臓の状態、検査値によっては止められます。必ず主治医に確認してください。
みなさんは、どんな飲み方をしていますか。よかったらコメントで教えてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。
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